情報科学類 単位認定とTOEICによる上限の突破
はじめに
筑波大学 情報学群 情報科学類 3年次編入後に行われる単位認定（単位振替や単位変換とも言います）について忘れないうちに書きたいと思います。
また、本記事の内容を鵜呑みにせず、必ず公式の書類に記載されている内容を確認してください。特に平成33年度（令和3年度）以降に編入学する学生は、カリキュラムが変わっているので注意する必要があります。
入学後のスケジュール（平成31年度）
締切自体は4月15日でしたが、実質的には4月10日までに作成してクラス担任の先生と面談する必要があります。そのため、割とハードです。
編入生オリエンテーション
担当の先生方が、単位認定や主専攻実験、COJTの説明をパワポでしてくれます。
オリエンテーションの後半では、編入生の先輩がTAとして来てくれて単位認定申請書の書き方を教えてくれます。優しい。そして、運良く自分と同じ高専出身の先輩がいると、去年の単位認定申請書を丸パクリできる可能性があります。
何も持ってなくても平気といえば平気ですが、ノートパソコンと後述する細則別表を数枚、シラバス、前日に配られるであろう履修要覧と開設科目一覧を持っていくといいと思います。
見る必要があるもの
履修要覧
単位認定申請書の作成や履修登録にあたって、必ず見なければいけない物が履修要覧です。注意する必要があるのは、入学の2年前の履修要覧を確認することです。例えば、H31年度入学であれば、H29年度の履修要覧を確認してください。履修要覧はオリエンテーションで配られますがwebからも見ることができます。必要な項目を適宜見れば充分ですが、自分はこういうのが大好きなので該当する部分を全て読みました。
細則別表
履修要覧の中でも、特に大事なのが”細則別表”です。これには卒業における必要単位数などが記載されています。極論、これとシラバスさえ見れば単位認定申請書は作れます。履修要覧の最後の方に載っていますが、リンク先下部の各年度入学者用細則別表抜粋から該当年度のものを見るのが楽かと思います。編入生オリエンテーションの時に2,3枚印刷して持っていくと書き込みできるので捗るかもしれません。
シラバス
情報科学類で開設されている科目一覧とシラバスが以下になります。基礎科目についての科目一覧とシラバスは適当にググってください。
単位認定申請書の作成
2つの制限
単位認定には、破ることのできない2つの制限があります。1つ目が、認定できるのは80単位までということ。2つ目が、標準履修年次*が1・2年次のものにしか単位振替できないということです。いくら高専や大学で150単位取っていたとしても(変換先の単位数で)80単位までしか振替できませんし、99.99%同じ内容の授業を受けていたとしても、標準履修年次が3・4年次になっている限りその単位を認めてもらうことはできません。（履修年次の制限は、履修要覧に記載のない学務委員会のオレオレルールなので、強行突破してみてもいいですが100%却下されます。単位認定してくださる学務委員会は神様です。）
以上を踏まえて、次のブログに1回目を通してください。高専卒の場合、履修とか初めてで1回読んだだけじゃ意味不明だと思いますが、とりあえずそれでいいです。3年次の履修登録をする際にも参考になりますのでブックマークにでも入れといてください。
*補足：今のシラバスだと標準履修年次ではなく対象という表記になっているようです。
単位振替すべき科目
主専攻ごとに別表が用意されていますが、単位認定を考える際にはどれも一緒なので、ここでは情報システム主専攻の別表を示します。緑色の枠で囲った部分が、標準履修年次が1・2年次の科目、単位振替すべき科目です。3年次の応用体育には振替できないので、体育については2単位までの振替です。また、第一外国語（英語）は5.5単位取得する必要があると記載されていますが、別表の下の方に”編入生は5単位で卒業認める”と書いてあります。ただし、卒業に必要な126単位に0.5単位足りなくなるので、基礎科目の共通自由もしくは基礎自由から合わせて6単位取る必要があります。その関係で計のところが合わなくなって”あわわわっ…”て感じですが、年間10人ぐらいなので支援室の方が手作業で何とかしてるんでしょう。
やる作業
足し算すれば分かりますが、取れる単位のうち卒業要件として使える単位の数は79しかありません。担当の先生から最初に総合科目を埋めて…みたいな話があると思いますが、専門科目から順番に埋めていっても1単位ないし0.5単位余るので問題ないです。
やる作業としては、振替先の科目のシラバスと自分が取得した単位のシラバスを見て、同じ内容のものを探すだけです。これを79単位分繰り返します。卒業研究や実験などはワイルドカードとして柔軟に使うことができるので、困ったら使ってください。
ちなみに、単位数を振替元/先で揃える必要はなく2科目4単位を1科目2単位に振替えたり3科目6単位を2科目4単位に振替えたりできます（たぶん）。
また、専門選択もしくは専門自由で0.5単位の端数が出なければ1単位余ると思います。その時は基礎共通自由か基礎関連自由で適当な科目に振っとくと仮に基礎科目で1単位認定されなかった時に幸せになれます。
クラス担任との面談
単位認定申請書ができたら、クラス担任の先生と面談を行います。この単位振替で行けそうなのか、1つ1つチェックします。1回で終わることなんてないので、何回も行くことになるでしょう。一応こういう成績の類は”個人情報”扱いらしいので、メールなどではやり取りしないことになっています。問題なければ、電子媒体と紙の2種類で提出して終わりです。ちなみに、提出後に支援室側でチェックがあってミスがあれば呼び出されます。
TOEICによる単位上限（80単位）突破
これから書くことは、今まで誰も試したことがないらしい*1です。正直に言えば、リターンよりリスクの方がでかいのでバカがやることです。一応は、支援室の事務の方とクラス担任経由で学務委員会の先生にお聞きして”可能”とは言われていますが、先方が完全に内容を把握してるかについては疑問です。そのため、最悪の場合は4年生にもなって1年生と机を並べて英語を勉強することになります*2。もしくは進級できない。
*補足1：支援室のお姉さん談
*補足2：実際はカリキュラム(科目)が変わったので1年生と机を並べることはない
前提
まず、前提知識として、第一外国語（英語）について少し解説します。内部生は、1年次に以下の6科目で4.5単位、2年次に”専門英語基礎演習”と呼ばれる科目群から1単位履修するよう定められています。
- English Critical Reading Strategies Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
- English Intercultural Communication Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
- English Integrated Skills Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
また、履修要覧の別表”筑波大学が単位を与えることができる学修について”では、情報科学類においてTOEIC730点以上の者に
- English Integrated Skills Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
の単位を与えると記載されてます。もちろん該当の単位を履修してから申請を出しても、3単位になったりはしません。あくまで、1年次の時点でTOEIC730点レベルの英語力があるものに対して”該当の科目を履修しなくていいよー”ということです。
一方、編入生においては単位認定申請の際、以下のように申請を行うよう指示されます。Englishなんちゃらを列挙したりはしません。
- 第一外国語（英語）：4単位
- 何らかの専門英語基礎演習：1単位
やりたいこと
単位認定の申請書において、上記のように纏めて書かず
- English Critical Reading Strategies Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
- English Intercultural Communication Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
- 何らかの専門英語基礎演習：1単位
として申請を行います。その後、TOEICのスコアを使って
- English Integrated Skills Ⅰ,Ⅱ 1.5単位
を取得、卒業要件の5単位を埋めます。
この方法を使うと、申請するはずだった第一外国語（英語）の1.0単位と英語の卒業要件から溢れた0.5単位で、計1.5単位が浮きます。その結果、単位認定の申請において1.5単位分別の科目を入れることができます。
前述の通り、79単位で卒業に必要な単位としてはマックスなので必要ないといえば必要ないのですが、単位認定で総合科目などが却下されたときの予備にはなります。
高専生は持ち単位とワイルドカードが多いので例年上限近く認定されているようですが、大学からの編入は持ち単位が少なく70単位しか認定されなかったとかあるらしいので、この方法は有効かもしれません。
結果（7/1追記）
高専からの80単位、TOEICの1.5単位全て認定されました。何の役にも立たない単位のためにクラス担任の先生及び支援室のお姉さんの貴重な時間を消費してしまい申し訳ない気持ちでいっぱい。とりあえず上限突破できたので満足です。
